« 蕎麦朧 | Main | 祝・第二子御誕生! »

2007.02.10

来ちゃいました、大阪。

070210_143101

大楽まで一ヶ月も開くなんて我慢できなくて、突発遠征。

…良いんです。笑われても呆れられても。

自分が後悔しない確信があればそれだけで充分。

そんなわけで席は最前列ほぼセンター。
だってどうしてもここで観たかったんだもん!
これを体験できない悔しさを思えば安いもんです。
そういう人間なんです。
がんばって働きます。

7回目です。2/10ソワレ。
しかし何度でも書くけどなんで全然飽きないんだろう、この芝居。
好きな芝居でも大概、「長い」とか「見飽きた」とか感じるところが
少しはあったりするのに、7回も観てる私にさえ全然ない。

さて、松竹座。舞台と客席の距離がかなり近いです。
舞台の高さも少し低いのかな?
冒頭で雨が降り始めた時本気でビビってしまいました。
雨降ってるだけでかなり水しぶきがかかるんだもの!
最後の立ち回りなんて激しく飛んでましたね~。
膝にかけていたビニールシートがかなり濡れておりました。
着物着ていかなくて良かった。。

まあとにかく舞台が近いので、演舞場にも増して大迫力!
そして当然あんなシーンやこんなシーンが目の前で…!!
せっかく買って行ったお弁当を食べられないほどの衝撃と感動でした。
あんな体験したら食事なんて喉通らないって…
水飲んで落ち付くのが精一杯でした。こんなこと初めて。

殊に痺れたのがサダミツを殺すシーン。

「俺を嵌めるなんざ百年早ぇんだよ。……死ね、豚野郎。」

ただでさえ大好きなシーンですが、足元から見上げたアングルで、
あの台詞、あの視線。

………………………死ぬ!!!!

ある意味本当に殺されました………いや、生きてて良かった………。

そして一幕ラスト。ライ、怒りの独白。
最後、照明で世界が血のように真っ赤に染まるのですが、
あの、血の色の中に浮かび上がるライの怒りの形相。
脳裏に、あまりにも鮮明に焼付きました。震えるほどの迫力。

そしてこの日初めて気づいたのだけど、
「俺が信用してるのはお前だけなんだよ…。それだけは信じてくれ。」
ライがキンタに語るシーンで、キンタが泣いていた。

「お前だけは騙さなかっただろう?」と言うライに、
「……ああ、確かに!」と、キンタがライの膝に置いた手が好きだ。
そしてその手を握るようにぎゅっと乗せるライの手。

きっとキンタは騙されてもそれと気づかないくらいバカなんだと思う。
それでも、「お前だけは騙さなかった」というライの言葉を、
私は信じたいんだよな…それさえも嘘だったとは、思わない。

いくら嘘に嘘を重ねて生きている人間にだって、一人くらいは
嘘をつかなくて済む人間が必要だと、私は思う。
全て本当でなくても良い。
本当の自分を少しでも知ってくれれば、それで良いのだ。

ライにとってそれは、キンタだったんじゃないか。
それを失った時、本当に嘘でしか生きられなくなる。
正に、「本当の自分」を殺すのと同義なのじゃないか。

休憩時間、食事する気分にはとてもなれず、思わず戯曲本を衝動買いして
読んでいたら、二幕冒頭に書かれたラストの台詞を読んで不覚にも
泣いてしまった。このタイミングであの最期を想像してしまうと、胸が痛い。

そうして開いた二幕はもう圧倒されっぱなしで、自分がどんな顔を
しているのかもわからないくらい。
とにかく伝わって来る感情のレベルが凄くて、自分が誰に感情移入してるのか、
悲しいのか、怒っているのか、楽しんでいるのか、混乱して呆然としてしまう。

間近で噴き出した血飛沫は現実世界と繋がった鎖を断ち切るように
目の前を真っ赤に染めて、完全に朧の罠に飲み込まれる。

そして凄絶を極めた最期――――――

涙は出ない。感情など現れる隙のないほどの衝撃。
これが私にとっての「朧」だ。だからここまで来ているのだ。

…しかし、お陰でカーテンコールになっても衝撃から立ち直れず。
顔引きつってただろうなぁ…皆笑顔で手振ってるのに、笑えなかった。
震えてなかなか立てないし。。。

終演後、何も考えられなくてフラフラと周辺を彷徨ってしまいました。
ああそうだ、ホテルに帰らなくちゃと我に返り携帯ナビでなんとか帰る。

来て良かったなぁ。
こんな体験はそう出来るものじゃない。
これで今年一年は何でもがんばれる気がします(笑)

February 10, 2007 in 市川染五郎, 旅行・地域, 演劇 |

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/17067/13875746

Listed below are links to weblogs that reference 来ちゃいました、大阪。:

Comments

しらたまさん、感動です。舞台の様子にも、しらたまさんの、突撃精神にも。そこまでのめり込めることは、そうは無いもの。突撃結構。無茶結構。いけいけ!!!応援しちゃいます!!
大楽にお目にかかりましょう!!

「こんなに激しい想いにかられる日は、二度とこないだろうな。そう思っただけ。」

Posted by: もこもこ | Feb 12, 2007 11:35:43 AM

ありがとうございます!
そう言って頂けるとやはり行って良かったと、
あらためて思えます。

「誰も俺を止められねぇ。」

…ライの言葉を借りるとそんな感じでしょうか(笑)

大楽、いや、前楽にもお会いできるでしょうか?
また語り合えるのを楽しみにしておりますv
最後まで突っ走りましょう!!

Posted by: しらたま | Feb 12, 2007 11:44:22 PM

Post a comment